JFレポート特集 【北海道】特集 特別座談会「SDGsから未来の海を考える」前編2/2 2022.12.15 全国の漁連・漁協 印刷する この情報は、北海道漁業協同組合連合会(JF北海道ぎょれん)からの提供です。 前後編を、それぞれ2回にわたって公開します。 以下、前編2/2回目をお届けします。 ※前編1/2はこちら * * * <出席者> さかなクン / JF全漁連 魚食普及推進委員 渋澤温之氏(以下、渋澤専務) / パルシステム生活協同組合連合会 代表理事専務 三浦秀樹氏(以下、三浦常務) / 全国漁業協同組合連合会 常務理事 安田昌樹氏(以下、安田専務) / 北海道漁業協同組合連合会 代表理事専務(進行) * * * -安田専務 三浦常務からもSDGsに関わるような取組についてお願いします。 -三浦常務 我々JFグループでは、「海の恵みを享受するすべての人々とともに、海を守り育み、次代へ引き継ごう」等の6項目からなるJF綱領という将来目指すべき指標を定め、この考え方に基づき行動しています。沿岸の漁師たちも持続可能な漁業を実現するために、自主的な共同管理という形での資源管理は以前からずっと行ってきているのですが、なかなか口下手なところもあって、自分からはあまり発信できていません。 ですが、今のように情報が溢れている時代では「言わない」というのは「やってない」と思われてしまうのですね。そう思われない為にも、我々も色々な取組を行っているということをしっかりと発信することが大切だと思っています。 漁場の管理もそうです。藻場・干潟の環境保全ですとか、生態系保全、そういったものも漁師が中心となってやっていますし、今まで様々な取組を全国的に展開しています。例えば、北海道ぎょれんさんが積極的に行っている森づくりですね。陸域からの栄養塩をしっかり海に届けるために、森を築いていきましょうということで、全国で数百万本の植樹を行っています。さらには海へのごみ流出防止など、いわゆる海ごみ対策です。海に流出しているごみの8割は陸域からという研究結果も発表されており、そうした陸域からのごみが海の中に沈んでしまうと、誰が回収できるのか。底曳網の漁師が網を引くと、ごみが出てくるのです。それを持ち帰って、行政と連携しながら適切に廃棄をしていく。そういった取組をする漁協も増えてきました。正にこうした取組というのは、SDGsの14番「海の豊かさを守ろう」ということに繋がると思いますが、我々はこれまでも当たり前のようにやっていたことです。 今の時代、色々な企業が「SDGsに取り組んでいます」と言っていますが、我々JFグループは、ずっと以前から当たり前に取り組んでいたために自らで「取り組んでいます」と言っていませんでした。情報力の世界になってきている今、こうした取組をしっかりと発信していかなければ、と感じています。 -安田専務 では私の方からも。三浦常務のお話ですが、我々も環境対策、海洋環境保全について、自分たちの業務の一丁目一番地と思って取り組んでいます。SDGsの17の目標に対して、色々なアプローチの仕方がありますが、まず環境保全というのがベースに来ると思っています。我々も環境基本理念に基づき日々行動していますが、それを補足する環境方針として、環境負荷の抑制をする、汚染の予防をする、海浜清掃や植樹あるいは脱プラスチック・抑プラスチック運動に取り組む、省エネ・省資源、環境に関わる法律の順守、こういったところを実践しているところです。 特に脱・抑プラスチックについては令和元年に総会での議決をしまして、以降、取組を評価しているところですが、例を挙げると、商品に関わるプラスチックの使用量を合理化する、製造ラインに使われる使用量を削減する、そして可能なものについては、再生可能資源に置き換える、といったことです。 また、私どもは工場がいくつかありますが、工場で使うパレットやポリ函などのプラスチック資材、これらについても可能な限り長期間利用するように心掛け、大事に使う。そしてもし使えなくなってしまったときには、効率的なリサイクルシステムを通じて、再度使用する可能性を追求しています。特に海洋プラスチックごみの問題に関しては、我々漁業を生業とする立場ですから、レジ袋を使用しないですとか、本会の役職員と漁業者も一体となってプラスチックの削減運動に意識的に取り組んでいるところです。 そしてその上にいま我々が考えているのがホワイト物流です。ホワイト物流というのは、トラック輸送の生産性の向上ですとか、物流の効率化、女性やシルバーの方が運転しやすい・働きやすい環境を作り、そして全体に環境負荷を減らすような物流の取組です。 例えばパレットの活用による業務効率化ですとか、事前の出荷・事前の入荷情報をユーザーと共有することによる待ち時間のロス削減、共同配送日の発送、働き方改革の実践等、そうした取組を行っている物流業者の積極的な活用を行いながら、こうした情報を発信し、さらには物流について知見を高める機会を持ったり、身に付けられるように色々な協議をしていくところです。 さて、次は少し深堀りして産直事業の実態とか漁村コミュニティをどのように活性化させていくか、といったような内容でお話を伺いたいと思っております。先ほどお話しいただいた内容と重複するかもしれませんが、まずパルシステムさんから、水産の産直事業や産地提携、あるいは生消協(パルシステム生産者・消費者協議会)も含めて教えていただければと思います。 -渋澤専務 はい、生活協同組合は人と人の繋がりの組織ですので、全てはこの繋がりから始まると考え、食べる人と作る人の繋がり、特にその繋がりの接点にこだわってきました。私たちがビジョンを作ったときにも、食べると作るだけではなく、両者が支え合う構造を作っていかなければならないと一つテーマに掲げたのが「食べる・作る・支え合う 共に生きる地域づくり」です。やはり食べる人、作る人、そこに支え合う関係が出来るからこそ、共にその地域を意識して、産直事業が発展できるのではないかと考えました。つまり、よく人の顔が見える関係と言うことで産直は使われますが、今は顔が見えるだけではなく、お互いの地域が見えるくらいの関係にしていかなければならないと言うことです。農村地域や浜もそうですが、色々な環境変化が地域においては起きています。例えば高齢化であったり、人口減少が進んで過疎化していくと地域の産業が成り立たなくなってしまいます。その地域で生まれ育った伝統の文化が無くなるということです。 -安田専務 ありがとうございます。私の方からは、漁村のコミュニティのあり方といった観点で話をさせていただきます。私は漁業というのはその地域に居住して漁業を生業(なりわい)とすることで、漁業・漁村のコミュニティの存続に繋がると思っています。漁業には単に水産物を水揚げするという機能だけではなく、その他にも様々な多くの機能がありますので、これを今日はぜひともさかなクンにも、改めて分かっていただきたいと思っています。 特に北海道における漁業者を含む漁村コミュニティというのは、環境保全の前線部隊であるということは間違いなく、それに加えて海難救助としての機能や国境監視としての機能等もあります。そういった色々な機能もあり、本来は漁村の存在感はもっと増していかなければならないと思っています。そのためにも漁業者がその地域できちんと生活し、中核にある漁協を中心にコミュニティが構成され、それで初めて地元漁協の活動としての植樹活動や環境生態系の保全等にも繋がっていくだろうと思いますし、一般の消費者の皆さんにもそうした活動を知ってもらう、このことが最初のスタートになるかと思っています。 先ほど三浦常務からお話ししていただきましたけれども、北海道の植樹の歴史は古く、組織だった植樹としては昭和63年からです。北海道女性連が30周年を迎えたのを機に「お魚を殖やす植樹運動」というのを始めましょう、と取組を開始をして、現在この植樹運動は全国へ広まってきています。 基本的な考えとしては「森と川と海は一つ」。そして「100年かけて100年前の自然な浜を取り戻そう」といった想いで活動し、現在は随分盛んになってきています。この「お魚殖やす植樹運動」とは別に、色々な取引先さん、生協さん、パルシステムさんもそうですが、各地各地で植樹の協議会を作りながら、生協の組合員さんにも植樹に参加してもらい、こうした活動を広く知ってもらおうとしているところです。 JF北海道ぎょれんの安田昌樹専務-安田専務 次にまたさかなクンの話を聞かせて下さい。先ほど館山での生活など色々とお話いただきました。おそらくさかなクンは、魚に興味があって毎日生活していることの他に、産地や地域を元気付けるといった役割も担っていると思います。そういったことで将来的に考えていることや感じていることなどお聞かせ願えればと思います。 -さかなクン はい、いま「ギョギョッとサカナ★スター」というお魚の魅力をお伝えする番組をNHKの皆さまと作らせていただいてます。 今のお子さまやお母さまは切身のお魚ばかりを目にして本物のお魚の姿や形を知らない、と聞きます。例えばサケはこういう形をしているとか、昔はサケの皮から靴などが作られていたとか、成長して海に出るとどういう風に旅をして大きくなっていくかなど、一つのお魚をテーマにして取り上げさせていただいています。 そしてこの番組は全国の様々な漁法をお伝えするために漁協の皆さまに支えていただいています。それぞれのお魚をどうやって漁師さまが漁獲されているのか、全国各地ではこんな漁業がありますということもギョ紹介しています。 やはり漁師さまも獲ったお魚を消費者の皆さまにお届けするときには、自分たちが獲ったお魚の姿やどういう漁法でどう獲れたか知っていただきたいというお気持ちがあると思います。また、そのお魚がどういう風に育っていくか、どういう環境に生息しているかというのも、知れば知るほどとっても奥が深いです。 私自身がお魚を知る上で、今日のようにとてもありがたいギョ機会をいただいていて、全て皆さまのギョ協力があってこそできることで、正に共生なんだなあ、と実感しております、はい。 私の役割は、いつも漁協の皆さま、漁師の皆さまから沢山の感動や学びをいただいてますので、これをテレビやラジオや新聞などを通じて各地域のお魚をしっかりとギョ紹介していくことです。 その他にも出演する番組などでは、たくさんの主要魚種が減少するなか、どうしても手に入らないときには、他にも旬のおいしいお魚が居て、そのお魚を大事にする正に!「一魚一会」をお伝えしていきたいと思っています。 先日もニュース番組の放送に合わせて横浜の中央卸売市場さまに取材をさせていただきましたら、ヘダイやキチジ、ウマヅラハギやサワラなど全国のお魚が沢山集まっていました。各地域の漁業従事者の皆さまが自信を持って送って下さってますので、市場に並んでいるお魚はその時期においしく、買う消費者にとっての正に旬のお魚でギョざいます。 そして普段おいしくいただくお魚というのは決して当たり前のものではなく、奇跡のような出会いです。マアジやマイワシ、マサバをはじめ多くのお魚は直径1ミリくらいの卵から生まれて、一生懸命大きくなっていって、それを漁師さまが私たちがスヤスヤ寝ている早朝から獲ってきて下さって、運んで下さる方が居て、並べて下さる市場、お魚屋さんがあって。おいしいお魚をいただけるのは、実はすギョいお魚との一つ一つの出会いなんです!ということも「ギョギョッとサカナ★スター」では伝えたいです。 特にお子さまはもちろん!お父さま、お母さま、おじいちゃん、おばあちゃん、若い皆々さまにもお魚への理解を深めていただく絶好のチャンスだと思っています。この番組がずっと続いて各産地のおいしいお魚をギョ紹介していくだけでなく、今まで漁師さんが獲ってきてもあまり活用されなかったお魚、例えばアイゴやゴンズイ、ウグイなど、すギョくおいしくて魅力がいっぱいなことなど、お魚の喜びをギョ一緒していきたいです。 * * * 後編につづきます。 * * * 前後編を、それぞれ2回に分けてお届けしています。 前後編を、それぞれ2回に分けてお届けしています。 ▶【特集 特別座談会】「SDGsから未来の海を考える」前後編で公開 ▶【特集 特別座談会】~前編1/2~ ▶【特集 特別座談会】~前編2/2~ ▶【特集 特別座談会】~後編1/2~ ▶【特集 特別座談会】~後編2/2~ JF全漁連漁協(JF)SDGs漁師北海道さかなクン全国の漁連・漁協全国の漁連・漁協のお知らせや活動について選り抜きの情報をお伝えします。このライターの記事をもっと読む
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